今回吟味するのは、オマール海老。
期間限定メニュー「夏は"プリップリ"海老三昧」に登場する数種類の海老の中でも、イチオシの食材です。シェフの一番のオススメは、活きたまま仕入れ、オーダーを頂いてから調理する「カナダ産活きオマールえびのグリルオレンジとハーブの爽やかな香りを添えて」。熱を通しすぎないよう調理し、その身の柔らかさとプリップリの食感をお楽しみいただきます。

その活きオマール海老が、輸入元である大阪の日東商事さんの倉庫に、毎週木曜日に入荷すると聞きつけ、5月17日(木)に視察へ行ってきました。

倉庫の中には、温度管理された大小の生簀があり、到着したケースがところ狭しと並んでいました。
見かけは強くて丈夫そうなオマール海老ですが、実は繊細でストレスに弱く、カナダから40時間かけて航空便で日本へやって来た時には体力的に限界を迎えているとか。だから、入荷したらすぐに生簀に入れる必要があるそうです。しかし、国際貨物機の到着が遅れたり、通関で足止めを食らったり、というトラブルも多く、無事に活きたまま仕入れることは簡単ではないそうです。

「オマール」という呼び方は、食材名としてのフランス語"Homard"に由来し、主に北半球の大西洋側の沿岸に分布し、水深1~200mの海底に生息します。フレンチやイタリアンのレストランでは、フランスのブルターニュ地方で獲れる希少価値の高い"ブルターニュ ブルトン"と「赤毛のアン」の舞台として有名なカナダのプリンス・エドワード島沖で獲れるオマール海老がよく使われています。

カナダの海は水質がよく、またミネラル分が多く、餌となる魚や貝が豊富なのでオマール海老が生息するには最適な環境と言えます。イタリア料理ラ・ヴィータでご提供しているのも、このカナダ産のオマール海老。味が良いのはもちろん、サイズや価格に加えて供給量も安定しており、カナダ・クリアウォーター社の徹底した管理のもと、最もよい状態でお客様にご提供することが可能になりました。また、今回はなかなかお目にかかれないメガサイズ(約1.8kg/通常の約6倍)のオマール海老を予約制でご提供いたします。視察の際、その1.8kgが小さく見える3kgオーバーのオマール海老とも対面しました。
7月、大阪の有名シェフたちが集まるイベントで解体され、お客様に振舞われるそうです。その他にも屋台でオマール海老やアワビの網焼きが食べられるそうなのですが、うらやましい限りです。

「オマール海老を含む海老類は、いつまでも若々しく、いきいきと生きるために必要な栄養がたっぷり詰まった食材です。そして、豊富なタンパク質と低い脂質を理由にダイエットに最適な食品だとも言われています。代表的な栄養素「タウリン」には、眼精疲労や視力の回復に効果があるといわれ、総コレステロール値を下げて、善玉コレステロールを増やす働きがあることは実証されています。更にオマール海老に多く含まれている栄養素「セレン」というミネラルは、脂質やタンパク質をエネルギーにかえたり、体内に多くの酵素を構成するのに欠かせません。殻には食物繊維と似た働きを持つ「キチン」が多く含まれ、消化管内の有害物質の排出を促し大腸癌の予防に効果があるといわれます。
オマール海老の美味しさは、ねっとりとした弾力ある身の食感と上品な甘さです。中でも爪の部分の、ほんの少し繊維を感じる肉質は「オマール海老は爪!」とおっしゃるファン続出の旨さです。

冷凍物では決して味わえない、部位ごとに異なる繊細な味の違いを、ぜひご堪能ください。
(参考文献:古典料理と最新の技法が一冊で学べるオマール海老大全)